久しぶりにまったくフリーの日曜日を満喫した、どーもキムです。
それで本当に久しぶりに日曜日に出かけてみた場所が、渋谷。そう、若者の街、渋谷です。
実は高校生の頃は毎月一回以上渋谷の有名な洋服屋たちを流行チェックしに行ってたりした過去を持つ僕としては、その頃のお店とかってまだあるのかなぁということも気になったのですが、今回の目的は映画鑑賞だったので脇目もふれず映画館へ直行しました。
で、今回の目的はこの映画を観ること。
『SING FOR DARFUR』以下引用
【あらすじ】
世界規模のビッグチャリティイベント、“Sing for Darfur”が行われるある日のバルセロナ。祝祭的なムードの中、その一日を、ダルフールとは無関係に生きる人間たちの物語。人が人に“触れる”ことで、物語の主人公は入れ替わり、さまざまな人物の目を通して、その一日は描かれてゆく。その日、その街、その時間の彼方には、ダルフールという事実がまちがいなくある。Sing for Darfur-それぞれの声で、それぞれの言葉で。THE CURE、Underworldなど数多くのアーティストから提供された楽曲、愛する国を失った少年の歌声、そしてスタイリッシュなモノクロ映像の78分間を、あなたに。
【概要】
製作年/国:2007年/スペイン・オランダ合作
監督:ヨハン・クレイマー
CAST:ペール・モリナ/メリーナ・マシューズ/ヴィッキー・ペーニャ 他
【公式サイト】
http://www.plusheads.com/singfordarfur/スーダン・ダルフール地方で今も続く紛争と虐殺をテーマに非営利で製作された作品で、紛争のためのチャリティーコンサートが開かれるスペイン・バルセロナでの1日を、そこで生活する人やコンサートに訪れる人のバトンリレーでつなぐ実験的な群像ドラマです。学生やチンピラ、日本人夫婦らが登場し、世界の情勢に無関心に生きる人々への皮肉を軽妙なドキュメンタリータッチで描かれています。
そこには「普通」の人びとの営みの積み重ねが描かれ、いかに問題と生活との距離があるのかということ、どれほど目を背けているのかということが描かれ、コンサートとは離れて見つめるべき本質、ラストへとつながっていきます。
強烈なメッセージを伝えるワンシーンのために、実験的でありながらも丁寧に作りこまれた映画である。しかし、そう思いながらも、若干の退屈さも感じました。
でも、その退屈さこそが現実であり、本質との距離でもあるのかと思います。
そしてやっぱり印象的なラストシーン。そこだけに血液が流れているかのように、全編モノクロだった画面に唯一色が入るのですが、本当にこれが美しいシーンなのです。
そのシーンによって何かが救われるわけでも、問題が解決するわけではないのだけど、人が祈り、歌うことの意味、一人ひとりが何かをすることに意味を与えてくれます。僕はそう感じました。とても美しいシーンでした。
監督自体も自分の無関心さに失望して自らこの映画を作ろうってところからはじまったとあるように、観終わったときに感じるのは、やっぱり自分の無関心さに対する失望でした。
と同時に、自らの問題、在日問題や祖国のことに日々向き合うことの意味を見つめなおして、自分の今が間違ってないという感触も得れました。
監督はナイキ、リーバイス、アディダスなどを含む200本以上のコマーシャルフィルムを手がけているオランダのヨハン・クレイマーという人で、『シング・フォー・ダルフール』は初の長編物語作品になるそうです。
実際さすが一流CMディレクターって感じのスタイリッシュな映像でした。映像だけでも見る価値はあるかなと思います。
自分と世界の距離に失望しても、それでも触れることからはじめよう。そんな希望の一歩を踏み出すために、この映画を観てみるのもいいと思います。